地盤改良の補助金・助成金 | 自治体別の支援制度まとめ
地盤改良工事には数十万円〜200万円以上の費用がかかりますが、 自治体によっては補助金や助成金で費用の一部を軽減できる場合があります。 特に液状化対策や被災住宅の復旧に関しては、手厚い支援制度が設けられています。
補助金制度の全体像
地盤改良に関する補助金は、大きく分けて以下の3つのカテゴリーがあります。 新築時の通常の地盤改良に対する補助金は少ないですが、 液状化対策や被災後の復旧に対しては比較的充実した制度が存在します。
液状化対策の補助金
液状化被害が発生した地域や、今後のリスクが高い地域で地盤の液状化対策工事を行う際の補助
被災住宅の復旧支援
地震や豪雨で地盤被害を受けた住宅の修復・地盤改良に対する支援金
耐震改修の助成金
旧耐震基準の住宅の耐震改修に伴う地盤補強費用の一部を助成
国の支援制度
国レベルでは、地盤改良に特化した補助金は限られていますが、 以下の制度が地盤関連の費用に適用できる場合があります。
被災者生活再建支援制度
自然災害で住宅が全壊・大規模半壊した場合に、最大300万円の支援金が支給されます。 地盤の修復費用もこの中から充当できます。
最大300万円
災害被災者
住宅・建築物安全ストック形成事業
国土交通省の制度で、耐震改修を含む住宅の安全性向上に対する補助事業です。 自治体を通じて申請し、耐震改修に伴う地盤補強費用の一部が補助される場合があります。 補助率や金額は自治体によって異なります。
宅地耐震化推進事業
大規模盛土造成地の滑動崩落対策として、国が自治体を支援する制度です。 個人への直接補助ではありませんが、対象地域では自治体が実施する 地盤調査や対策工事の恩恵を受けられます。
自治体別の補助金・助成金の実例
地盤改良に関する補助金は自治体独自の制度が中心です。 以下に代表的な自治体の制度を紹介しますが、制度内容は年度ごとに変更されるため、 申請前に必ず各自治体の最新情報を確認してください。
千葉県浦安市 — 液状化対策工事助成
2011年の東日本大震災で甚大な液状化被害を受けた浦安市は、 市民の住宅液状化対策を支援する助成制度を設けています。
個人住宅の液状化対策工事
工事費の1/2(上限100万円)
浦安市内の住宅所有者
年度内随時(予算に達し次第終了)
東京都 — 耐震化助成制度
東京都では各区市町村が独自の耐震改修助成制度を設けています。 耐震改修に伴い地盤補強が必要な場合、その費用も助成対象に含まれることがあります。
世田谷区
木造住宅の耐震改修費用の一部を助成。限度額150万円。地盤補強が耐震改修に必要と認められる場合は対象。
江東区
液状化対策アドバイザー派遣制度あり。専門家が無料で地盤の液状化リスクを診断し、対策を提案。
墨田区
木造住宅の耐震改修助成(上限150万円)。耐震診断は無料で実施。
横浜市 — 宅地防災対策
横浜市は丘陵地が多く、盛土造成地の地盤に関する支援制度があります。
がけ地防災対策工事助成金
工事費の1/2〜2/3(上限あり)
がけ地の崩壊防止工事
盛土造成地の地盤対策も一部対象
新潟県 — 液状化被害対策
新潟県は過去の地震(2004年中越地震、2007年中越沖地震)で 液状化被害が多く発生した地域であり、対策支援の実績があります。 被災後の住宅復旧に際して、地盤改良費用を含む支援が行われています。
災害発生時には、被災者生活再建支援法に基づく支援金に加え、 県独自の上乗せ支援が行われることがあります。 地盤の液状化による住宅被害は「半壊」以上の認定を受ければ支援対象となります。
補助金の申請方法
補助金の申請は、原則として工事着手前に行う必要があります。 工事を先に始めてしまうと補助金を受けられないケースが多いので注意してください。
- 1
制度の有無を確認
お住まいの市区町村の建築課・防災課に、地盤改良に使える補助金があるか問い合わせる
- 2
対象条件の確認
建物の種類、築年数、対象工事の範囲、所得制限などの要件を確認する
- 3
事前申請
申請書類一式を揃え、工事着手前に申請する。見積書や図面が必要
- 4
審査・交付決定
自治体による審査を経て、交付決定通知を受け取る
- 5
工事の実施
交付決定後に工事を着手する(事前着工は不可の場合が多い)
- 6
完了報告・請求
工事完了後に完了報告書を提出し、補助金を請求する
補助金申請の注意点
補助金を利用する際は、以下の点に注意してください。
工事前に申請が必要
ほとんどの制度で工事着手前の申請が条件です。先に工事を始めると対象外になります。
予算枠に限りがある
年度予算が上限に達すると締め切られます。年度初め(4月〜5月)に申請するのがベストです。
新築の通常改良は対象外が多い
新築住宅の一般的な地盤改良(表層改良・柱状改良)は補助対象外の自治体がほとんどです。
制度は年度で変わる
補助金制度は毎年度見直されます。前年度にあった制度が廃止されることもあります。
確定申告での控除も検討
補助金が使えない場合でも、耐震改修促進税制による所得税控除が適用できる場合があります。
補助金以外の費用軽減策
補助金が使えない場合でも、地盤改良の費用を抑える方法はあります。
相見積もりで適正価格を確保
地盤改良は業者によって費用差が大きいため、最低2〜3社から見積もりを取って比較しましょう。
住宅ローンに組み込む
地盤改良費用は住宅ローンに含められるケースが多く、金利の低い住宅ローンで借りた方が有利です。
地盤保証の活用
地盤保証に加入することで、万が一不同沈下が発生した場合の修復費用がカバーされます。
まとめ
地盤改良に使える補助金は、新築の通常工事では限定的ですが、 液状化対策や耐震改修に伴う地盤補強では活用できる制度があります。 まずはお住まいの自治体に問い合わせて利用可能な制度を確認しましょう。 補助金の有無にかかわらず、土地購入前に地盤リスクを把握しておくことが 最も確実なコスト管理の方法です。